犬専門の獣医になるための基礎知識
獣医は犬だけでなく、動物全般の専門知識や技術が求められます。たとえ個人で犬専門の動物病院を開業したいと思っていても、国家資格の獣医師免許を取得するためには、あらゆる動物の知識が必要です。獣医にはどのようなことが求められるでしょうか?
ただ「犬が好き」というだけでは獣医にはなれません。もちろんはじまりはそれでもいいです。しかし幅広く、専門的な知識が必要なので、興味関心をもって自分で突き詰めていく、勉強や研究熱心な人でないと獣医師にはなれません。犬や他の動物への愛情が必要ですが、かといって感情移入しすぎるのもあまりよくありません。
犬の寿命は人間より短いものです。たくさんの犬の死を目の当たりにするでしょう。中には最善を尽くしたのに助けられない動物も出てきます。そういったときに落ち込んでばかりいたら獣医は務まりません。愛情と冷静さを兼ね備えた人格が必要です。人間の医師と同じように強い精神力も求められます。
獣医は犬などの動物と向き合い、コミュニケーションをはかり、信頼関係を築きながら診断や治療を行っていきます。そのため、犬に関する幅広い知識や経験、犬とのコミュニケーション能力が必要です。しかし、獣医がコミュニケーションをとるのは犬だけではありません。飼い主である人ともコミュニケーションを取らなければなりません。
飼い主にとってペットは自分の子どものような存在です。飼い主の気持ち、要望を汲み取り、親身になっていっしょに治療法を考える必要があります。動物は好きだけど人間は苦手という人は、仕事をしていく上で難しく感じる部分があるかもしれません。人と積極的にコミュニケーションをはかれることも重要です。
犬が安心してくれる環境と診断の進め方
実際に大ケガや死亡事故につながってしまうこともあります。診断や治療を適正に行っていくためには犬との信頼関係が必要です。動物によって信頼関係の築き方は多少異なるとは思いますが、動物病院にやってくることの多い犬と信頼関係を築く方法について考えてみましょう。
いろいろな性格の人がいるのと同じように、犬の性格もそれぞれです。犬種の違いによって多少性格が異なりますし、それぞれの個体、育った環境、遺伝によって性格が変わってきます。好き嫌いや苦手なことも変わってきます。
とにかく体を触られるのが苦手な犬、歯を触られるのが苦手な犬、耳を触られるのが苦手な犬、とにかくじっとできない犬、人見知りしてしまう犬など、さまざまです。犬は人間のように話すことができないので、自分の嫌いなことを口で表現することはできません。
そうなると、体のケア自体が犬の負担となってしまうことがあります。一度苦手なイメージが付いてしまうと過敏に反応してしまってケアがなかなか進まない、という悪循環に陥ってしまいます。施術を適正に犬に負担をかけずに行うためには、良いコミュニケーションをはかって信頼関係を築くことが大切です。
良い獣医師というのは犬と打ち解けるのが非常に早いです。そして恐怖や緊張感を与えさせないためのテクニックがあり、その人人自身の穏やかな性格を犬も読み取るようです。獣医は逆に様々な仕草や反応から犬の性格を読み取り、その犬の性格や嫌いなことを、苦手なことを把握しながらそれぞれにあったケアを行います。
例えば、人に触られるのが苦手な犬の場合は、リラックスできるような部屋でまずは遊んでもらいながら、少しずつ触られることに慣れさせます。その日に行えるドッグケアは限られているかもしれません。
それでも、何度も顔をあわせることによって友だちとなり、信頼関係が生まれてくると、たくさん触らせてくれたり、ケアの量を増やしても拒否反応を示さなくなります。一気にケアしようとするのではなく、少しずつでもいいので、犬の負担にならないようにケアしていくようにしている動物病院もあります。
確かに、飼い主が通う回数は増えてしまいますが、かかりつけの動物病院としては信頼の置けるところだと思います。
ドッグケアに欠かせないスキル
通信教育のカリキュラムを修了すれば取得できるものもあれば、専門学校などに通って取得するものもあります。犬に関わる仕事をしたいのであれば、犬とどのように関わっていきたいかを考え、どんなスキルの習得を目指すべきかを考えましょう。犬のしつけやトレーニングを専門に行いたいのであれば、ドッグトレーナーの資格があります。
ドッグトレーナーとは、一般家庭で飼われている愛犬を預かって訓練や指導をすることができる人に与えられる資格です。犬が人間と共同生活をする上で必要なしつけを行います。子犬が人間と共生できるように、食事のルール、留守番の仕方、来客に対する態度、トイレや散歩の仕方などを教え込みます。
問題行動のある成犬も訓練できなければなりません。吠え癖がある、噛みつき癖がある、急にとびかかってしまう、トイレがきちんとできない、言うことをきかない、といった問題のある大人の犬を矯正するための訓練です。
ドッグトレーナーの知識は犬の気持ちや行動を理解する上で大変役立つので、犬に関わるどんな仕事をするにしても必要なスキルと言えます。
ペットトリマーは犬との信頼を築ける人気の資格です。ペットトリマーとはペットの美容師で、主に犬や猫の毛を刈って整えることができる人に認定される資格です。トリマーのスキルが身につけば、自分の飼っている愛犬をカットすることもできますし、自分好みにアレンジすることもできます。
たくさんの犬と触れ合って、犬とのコミュニケーション能力が向上します。ペットトリマーは体調の変化に敏感に気づいて飼い主に伝えるという仕事もあるので、人間とのコミュニケーションも必要です。
獣医師免許は国家資格でもあり、動物の命を預かる責任の大きな仕事です。ドッグケアのスペシャリストでもあります。動物の中でペットとして犬の数は圧倒的に多いので、犬に関する幅広い知識、経験がなければなりません。
適正な診断や治療のために、初対面の犬とも良いコミュニケーションを取らなければなりませんし、飼い主とのコミュニケーション能力も問われる仕事です。資格やスキルを選ぶ時には、犬に対してどんなことをしたいのかをイメージするといいでしょう。犬とどのように関わっていきたいか、愛犬に対してどんなことをしてあげたいかで目指す資格は変わってきます。
犬が動物病院を怖がらないようにするには?
犬は賢く、記憶力のいい動物です。以前に動物病院で、痛い思いや、自分の苦手なことをされた経験があると、それを覚えていて怖がっているのです。これを克服させるには慣れさせるしかありません。
子犬の場合は、病気になっていないときでも、ちょっとした検診や相談で病院によく通うことによって病院に慣れさせることができます。病気の時やワクチンの時だけ病院に行くと、犬はとても警戒してしまいます。その他に待合室でおやつをあげるなど、病院に対してとにかく良いイメージを持たせることが大切です。
良い獣医も、犬が怖がっているなら、まずは慣れさせることに徹します。一回の来院でできるケアは限られてしまうかもしれませんが、犬にできるだけ負担をかけたくないと思っていることでしょう。信頼関係を築けば、犬の悪い印象を取り除くことができます。
犬と仲良くなれる資格ランキング
犬に関わる獣医、トリマー、ドッグトレーナーなどの仕事を目指すのであれば犬と仲良くなるためにスキルや資格を身に付けたいと思うことでしょう。犬に関する資格の中で人気なのはどんな資格でしょうか?おすすめの資格をランキング形式で紹介していきます。
後ほど詳しく紹介しますが、簡単に言うと、家庭の犬に関する基礎的な知識、トレーニングの正しい方法を身につけることで認定される資格です。「日本生活環境支援協会(JLESA)」が試験を実施し、資格を認定しています。
資格取得後はドッグトレーニングアドバイザーとして活躍することができ、自宅やカルチャースクールなどで講師活動を行うことができます。トリマー、獣医など犬と関わることの多い現場で働く人にもおすすめの資格です。
総合評価 | |
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- 家庭の犬のしつけ・犬のトレーニングの知識がしっかり身につく。
- アイコンタクト他、様々な犬のトレーニング法が習得できる。
- ドッグトレーニングアドバイザーとして活躍出来るようになる。
この資格のために勉強することで、犬種によるしつけの違いや、首輪やハーネス・知育玩具を使ったしつけの方法を学ぶことができます。
犬の性格に合わせたしつけの方法、うんちを食べてしまう癖、噛み癖、飛びつき癖、無駄吠えなどの悪い癖をなくすための方法を学びそれを実践できる人を認める資格です。
また、犬を多頭飼育するための方法や、成犬、老犬の体調管理など実践的なスキルを学ぶ必要があります。
この資格を取れば、動物病院、トリミング専門店、ペットホテル、ドッグカフェ、ドッグランなどでのしつけ方法や過ごし方といった、マナーに関する知識を有していることが証明されるので、スキルの証明として就職の際に役立つかもしれません。
資格取得後は、犬のしつけインストラクターとして仕事ができ、自宅やカルチャースクールで講師として働くこともできます。
総合評価 | |
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使いやすさ | |
掲載情報量 |
- 犬種に応じた最適なしつけについての知識が身につく。
- 犬の性格に応じた上手な対応が出来るようになる。
- 犬の様々なマナー面に関する知識も習得できる。
獣医でも役に立つ 「ドッグトレーニング資格」
「ドッグトレーニングアドバイザー」資格は、日本生活環境支援協会(JLESA)という団体が認定している資格です。ドッグトレーニングに関する基礎的な知識を有していることを認定する資格です。例えば、アイコンタクト、ハンドサイン、おすわり、伏せ、待て、おいで、甘噛み、玄関チャイムへの反応、来客への対応、室内のトイレの仕方、屋外でのトイレの仕方、散歩などに関するトレーニングスキルです。
受験資格は特にありませんので誰でも申し込むことができます。すでに動物関係のお仕事をされている方、それを目指す方、また、自分の愛犬の世話に役立てたい人も誰でも申し込むことができます。受験料として10,000円(税込)が必要です。受験の申請はインターネットで行い、自宅で受験することができるので、忙しい人でも安心です。
試験は偶数月に行われています。平成29年は2月、4月、6月、8月、10月、12月に実施されます。年に6回行われるので、自分のタイミングに合わせて自由に時期を選ぶことができます。受験申込期間は試験実施月の前の1ヶ月間です。つまり、12月に試験を受けたい場合は11月1日~11月30日までに申し込む必要があります。
日本生活環境支援協会の公式ホームページから申し込んでください。試験実施月の20日から25日が試験期間となります。試験期間中に送られてきたものに解答し、それぞれ月末の提出期限までに返却用の封筒で解答用紙を送り返してください。
合否通知は試験実施月の翌月20日に発送されます。全体の70%以上の評価で合格となり、資格を取得することができます。
ドッグトレーニングアドバイザー資格を取得するためには、認定試験に申し込んで合格する他に、インターネットで申し込める通信講座を受講することによっても資格取得の勉強をすることができます。「諒設計アーキテクトラーニング」の「ドッグトレーニングアドバイザーw資格取得講座」を受講し、学習することで資格取得を目指すことができます。
講座には通常講座とスペシャル講座があり、通常講座は学習後、認定試験を受ける必要があります。スペシャル講座を選択すれば、添削課題をクリアした後、卒業課題を提出することで試験免除となり、卒業と同時に資格を取得することができます。
すぐに資格を取得したい場合や確実に資格を取得したい場合はスペシャル講座がおすすめです。本人の努力次第では最短2ヶ月で資格を取得することも可能です。また、「通信教育・通信講座SARAスクールジャパン」が実施している「ドッグトレーニング講座」でも、ドッグトレーニングアドバイザー資格を取得することが可能です。
SARAスクールジャパンで使用する教材はオリジナルで初心者でもわかりやすく作られているので安心です。プラチナコースを選択すれば、試験免除で卒業と同時に資格を取得することができます。
まとめ
動物が好きで元気になっていくのを見たり、命を救うことに達成感はありますが、それでも犬の寿命が尽きたり、最善を尽くしても救えない命があります。
そういった中でも仕事を続けていける、動物に対する愛と冷静さのバランスのとれた強い精神力のある人が獣医に向いていると言えます。犬が安心して診断や治療を受け入れてくれるように、犬それぞれの特徴や性格、苦手なことをできるだけ早く見抜き、それに対応できるだけの知識や経験が求められます。
最初のうちは一度の来院で多くのケアを行うことはできないかもしれません。しかし、忍耐強く信頼関係を築き、将来的に犬が負担なく安心して診断を受けてくれるような環境づくりが大切です。
犬のことをより深く理解するために「ドッグケトレーニングアドバイザー」資格や「犬のしつけインストラクター」資格はおすすめです。自分で資格認定試験を受けるほか、インターネットで申し込める通信講座を受講することによってこれらの資格を取得することができます。